新たなビジネスを立ち上げる際、資金面でのサポートはとても心強いものです。今回は、起業準備に役立つ助成金の活用法について、わかりやすくお伝えします。
助成金と補助金の違い
助成金と補助金は似たような意味で使われることがありますが、目的や特徴に違いがあります。
- 助成金:主に雇用や労働環境の改善を目的としており、厚生労働省や地方自治体が提供。申請期間が長く、要件を満たせば受給しやすい傾向があります。
- 補助金:産業の育成や特定の施策推進を目的としており、経済産業省や地方自治体が提供。公募期間が短く、競争率が高いため、受給には審査を通過する必要があります。
起業時に活用できる主な助成金・補助金
起業時に利用できる代表的な助成金や補助金をご紹介します。
1. 創業助成事業(東京都)
東京都が提供する助成金で、創業5年以内の事業者やこれから開業を予定している方が対象です。人件費や賃借料などが助成対象となり、助成率は3分の2以内、限度額は400万円(下限100万円)です。
2. ものづくり補助金
中小企業や小規模事業者の製品開発などを支援する補助金です。補助額や補助率は募集時期や枠によって異なりますが、例えば、省力化(オーダーメイド)枠では補助上限額が750~8,000万円、補助率は1/2(小規模事業者は2/3)となっています。
3. IT導入補助金
ITツールを導入して生産性を向上させるための補助金です。POSレジシステムや予約・顧客管理システムなどの導入が対象となり、補助金額や補助率は枠によって異なります。通常枠では、補助金額が5~450万円、補助率は1/2となっています。
4. 小規模事業者持続化補助金
従業員が20名以下の小規模事業者を対象とした補助金で、販路開拓などの経費の2/3(上限200万円)が補助されます。申請には商工会議所や商工会の助言を受けて経営計画を作成する必要があります。
5. キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者のキャリアアップを目的とした助成金です。例えば、非正規雇用者を正社員に転換することで、1人当たり80万円(大企業は60万円)が支給されます。
助成金・補助金活用のメリットと注意点
メリット
- 返済不要:受給した資金は返済義務がないため、資金繰りが楽になります。
- 信用力の向上:公的な支援を受けることで、金融機関や取引先からの信用が高まります。
注意点
- 申請手続きの煩雑さ:申請には詳細な事業計画書や報告書の作成が必要で、手間がかかります。
- 後払いが基本:多くの場合、助成金や補助金は事業実施後の支給となるため、初期費用は自己資金や他の手段で賄う必要があります。
- 公募期間の確認:補助金は募集期間が限られていることが多いため、最新情報を常にチェックすることが重要です。
まとめ
起業時の資金調達は、多くの選択肢があります。助成金や補助金は返済不要の資金として魅力的ですが、申請手続きや条件の確認が必要です。最新の情報を収集し、適切な資金調達方法を選ぶことで、ビジネスの成功に一歩近づくでしょう。